2004年1月11日 「働く。」第一部 サバイバル工場(10)
「飯の種をまこう」。生き残りかけ新商品開発昨年末、天草池田電機=天草郡松島町=の一室に九人の男女が顔を寄せ合っていた。会議のテーマは、同社初のオリジナル商品「るすばん君」の改良だ。 「製品の特徴は大きなブザーが鳴ると同時に、ロック機能でサッシが開かなくなること」。開発プロジェクト課
「飯の種をまこう」。生き残りかけ新商品開発昨年末、天草池田電機=天草郡松島町=の一室に九人の男女が顔を寄せ合っていた。会議のテーマは、同社初のオリジナル商品「るすばん君」の改良だ。 「製品の特徴は大きなブザーが鳴ると同時に、ロック機能でサッシが開かなくなること」。開発プロジェクト課
「3年勝負」の折り返し。自立へ技術の確立を。「昨年は天草池田電機にとって、本当の自立への行動の年だった。今後の企業存続への布石を打つことができた」。五日の仕事始め。天草池田電機=天草郡松島町=の食堂ホールに集まった全社員を前に、池田博嗣社長(56)=同郡姫戸町=の年頭あいさつが始ま
進む海外へのシフト。「作業に責任持たなければ…」多くの企業が仕事始めを迎えた五日、天草池田電機=天草郡松島町=でも、電子制御部品(リレー)生産ラインが再びフル稼働に入った。 コンベヤの上を部品が流れ、手際良い作業が続く。時折、ラインの女性社員たちにアドバイスをする女性がいる。「リー
品質勝負しかない。「悪ければ仕事がこなくなる」「コテの移動距離を調整しよう」。品質保証課長の太田真司さん(54)=同郡大矢野町=が声を上げた。天草池田電機=天草郡松島町=の工場の一角で、太田さんら三人が「はんだ付け工程」の不具合解消をテーマに話し合っている最中だった。 国内の工場が
パートから社員へ。「やりがいあるけど責任も重く」「じゃ始めようか」。天草池田電機=天草郡松島町=の談話室。定時の就業が終わった十人ほどの女性社員が、菓子を食べながら話し込み始めた。話題は品質向上のための改善策。各職場で展開されているQCサークル活動だ。 QCは「品質管理」の意。社内
頼るべき親会社はない。「もう甘えは許されない」五日、電子制御部品(リレー)入りの段ボール箱が積み上げられた天草池田電機=天草郡松島町=の工場の一角。生産管理課の松本誠二さん(52)=松島町=が伝票と製品を照合し、丁寧にこん包作業を続ける。工場の最後の関門、出荷の担当だ。 この日が初
効率が生命線。女性たちの熟練技術が支える午前八時前。天草池田電機=天草郡松島町=の駐車場に、何台もの車が駆け込んでくる。始業時間より三十分以上も速い。工場内では、出勤してきた従業員が生産設備の立ち上げを始めている。 「強制されているわけじゃないけど、始業前にやるべきことがたくさんあ
自ら育てた”ライバル”。「品質と納期で勝負」「休み明けなので、納入品の確認をしっかりお願いします」。天草池田電機=天草郡松島町=の朝のミーティング。スタッフに声をかけたのは、生産管理課長の杉本祐一さん(47)=松島町=だ。 「間接業務に人は割けない。ぎりぎりの人員でも、生産を支える
眠らない生産ライン。設備も人も「24時間体制」天草池田電機=天草郡松島町=の向上は夜も眠らない。電子制御部品(リレー)の生産設備は二十四時間体制。全自動で稼働する主力製品「G4A」の生産ラインに対して、夜勤の男子オペレーターは材料補給や次々に出来上がる製品のチェックに忙しく立ち回る
改善、改善、また改善果てしなきコストダウン競争 午前八時。その工場の朝は、フロアの数カ所で部署ごとに開かれるミーティングで始まる。12月27日。生産ラインがフル稼働する年内最後の日も、いつもと同じような朝の光景があった。青い無盡(じん)の衣姿の男女が当日の作業手順を細かいところまで